国立国際医療研究センターのセクシャルヘルス(SH)外来に通院中の患者さんを対象に、PrEP研究を実施しています(研究終了しました)。
本研究では、HIVの感染リスクが高い方に抗HIV薬ツルバダを内服していただき、PrEPのHIV感染予防効果を確認するとともに、PrEPの実行可能性を検証します。
HIV予防の選択肢としてPrEPを確立することを目的としています。
抗HIV薬ツルバダを一日一回内服していただきます。
内服開始時、内服開始後1ヶ月、3ヶ月、以降3ヶ月毎にSH外来に受診していただき、副作用のチェック、HIV検査、他の性感染症検査を受けて頂きます。
性行動調査にもご協力いただきます。PrEP期間中はこれまで同様、コンドームを使用した安全な性行動に留意していただきます。
2021年3月末まで
ツルバダを飲み始めると10%位の方に、吐き気、腹満感、下痢、頭痛などの症状が現れることがありますが、ほとんどが日常生活に影響のない程度の軽微なもので、一時的であったと報告されています。
ただし、ツルバダというお薬は、HIV感染者に対する使用で、まれに(1%未満)、腎不全や重度の腎機能障害が出現することが報告されているため、定期的に血液検査を行い、腎機能に異常がないか注意深く確認いたします。腎機能に異常が認められた場合には、ツルバダの内服を直ちに中止し、腎機能が回復することを確認します。
腎臓の病気を合併している方、過去に腎臓の病気を指摘された方、治療を受けたことがある方は医師に申し出て下さい。また、腎臓に負担のかかるお薬を内服しているかどうか確認する必要があるため、現在内服しているお薬がある方は、医師に申し出て下さい。
ツルバダについての詳細は、国立国際医療研究センター エイズ治療研究開発センター(ACC)のHPをご参照ください。
ツルバダのお薬代と研究で定めた検査の費用は研究費で賄われますが、診察費用はご負担頂きます。
お薬の有害反応などにより、追加の検査や治療が必要になった場合は、保険診療として実施し、費用をご負担頂きます。なお、国内ではツルバダをHIVの予防薬として服用することが認められていないため、ツルバダの使用により発生した副作用については、医薬品副作用被害救済制度の対象とはなりません。
国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター 水島大輔
東京都新宿区戸山1-21-1 TEL:03-3202-7181(病院代表)